この記事は、サルコイドーシス(サ症)や難病の仲間に向け書いています。

ここでは、2017年春に急性発症(レフグレン症候群)した、私のサ症について、発症当時の背景や症状の経過など について、患者目線で書いています。

50歳目前(=人生後半)での難病発症、そこから立ち直る過程は、一つのドラマでした。

サ症の症状は、人によって千差万別で、これは、ほんの一例にすぎません。

しかし、同じような辛い思いをする人が一人でも減るように願って、この記事を書きます。

難病発症から立直ろうとする過程は 発症後の どん底から立直る【難病と私1】 をご参照下さい。

 

初めまして、モモタ侍と申します。

17年の春頃、突然、サルコイドーシスと言う指定難病になりました。

サ症は、体中にできる肉芽(にくげ)と言うできものが、体の正常な機能を妨げる病気です。

症状は人それぞれですが、私の場合、痛み、しびれ、疲れ がつらい自覚症状です。

*詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。

サ症の発症

ここでは、難病を発症した当時の、私を取巻く仕事や生活環境を書いています。

また、発症~経過観察に至る迄の経緯についても書いています。

サ症に関する、私の知識や経験は サルコイドーシス どんな病気?【サ症5】 をご参照下さい。

発症した頃 私を取巻く環境

発症当時、私は海外に住んでいました。

勤めていた日本本社は、投資の失敗で業界での競争力を失い、経営難の末、外資系に買収されました。

私のいた海外の現場は、その大波を受け、骨も削るコストカットを繰り返していました。

また、買収された後は、大幅なオペレーション変更など、本社と現場の板挟み状態になりました。

長引く経営難、終わりない構造改革、朝令暮改の本社指示に、私は心身ともに疲弊していました。

そんな頃、サ症を発症しました。

時間経過(発症~確定診断まで)

下記が、私のサ症による主な自覚症状を、時系列に書いたものです。

発症した春頃は、急性サ症=レフグレン症候群に特徴的な、関節痛、肺門リンパ節の腫れ、結節性紅斑(赤い斑点)、のみでしたが、その後さまざまな症状が出ました。

歩行障害では、足に力が入らず階段から落ち、歩きたくても足が前に出ず。

味覚障害では、何を食べても同じ味がしました。

人に起こり得る大半の障害を身をもって体験したような、本当に辛い時期でした。

  1. 4~5月:ひどい疲れ/息切れ。 眼の飛蚊症や光視症。
  2. 6~7月:両手足の関節痛。 両下肢がパンパンに腫れ、赤い斑点(結節性紅斑)がでる。
  3. 8月  :年一回の定期検診で、肺に入道雲のような腫れ(肺門リンパ節)が見つかる。
  4. 9月~半年間 程:全身痛、シビレ、手の震え、寝汗、歩行障害、味覚障害 などの自覚症状。

各種検査と確定診断

海外の病院で、どうも普通の病気では無さそうだと言われ、帰国して大阪の大学病院を受診しました。

9月の初旬に検査入院し、全身に強い自覚症状があった為、検査は多岐に渡りました。

通常のMRIやCTの他、肺の気管支鏡検査、眼の蛍光眼底検査、髄液検査など辛い検査もありました。

私のサ症の検査については サルコイドーシス検査 体験【サ症6】 をご参照下さい。

サ症の確定診断に近道はなく、検査を重ねて他の病気の可能性を排除していく方法でした。

そして、9月中旬に確定診断を得ました。

確定診断は、その後の医療費助成制度を受ける為にも必須で、とても大切です。

難病は、病名が特定出来ず、何年も辛い症状に苦しめられるケースが多くあると読みます。

私の場合、特有の自覚症状が多く、早い段階でサ症が疑われたのは、幸いでした。

経過観察

肺、神経、肝臓、脾臓、目、皮膚など 全身にサ症が有ることが分かりました。

サ症の大きなリスク要因の一つである、心臓サ症無かったのは幸いでした。

とは言え、一番辛い自覚症状は、臓器固有のものでなく、胸を中心とする全身の痛みでした。

私のサ症の症状については、下記をご参照頂けると幸いです。

  1. サルコイドーシス症状 私の場合【サ症3】
  2. 肺サルコイドーシス 私の場合【サ症4】

自覚症状は強いものの、サ症は寛解もあることから、ステロイドは使わず経過観察となりました。

治療法のないサ症は、定期的に検査を行い、血液マーカーなどの経過を見るしかありません。

私の場合、ACE、sIL-2、KL-6をサ症の血液マーカーとして毎月見ています。

発症から3年間は、非ステロイド系の薬で、だましだまし来ましたが、肺機能の低下と肺の画像悪化により、昨夏、ステロイド治療に踏み切りました。

今は、ステロイドが効いて、免疫抑制剤、漢方薬も併用し、病状が安定しています。

検査入院、経過観察、ステロイド治療については、下記をご参照下さい。

  1. 検査入院 って何するの?【サ症7】
  2. 経過観察って何するの?【サ症8】
  3. 私の副作用対策【ステロイド1】

人は簡単に難病になるのでは?

サ症のような難病の発症確率は、10万人に1人とも言われます。

しかし、身近な例を見ていると、難病になる人が増えているように感じます。

社会変化が激しく、大きなストレスにさらされる環境下で、人はちっぽけな存在にすぎません。

人間の繊細な、心身のバランスが崩された時、人は簡単に難病になる気がします。

特に高齢になると、その確率は一層上がるのでしょう。

治療法の無い多くの難病を知り、人の体は、まだ何も解明されいないと感じます

 

私自身、(柄にもなく)悪い流れに立ち向かおうとし、簡単に飲み込まれ、難病になりました。

それまで、病気になる前、自分の中の道理を体を張って守ろうと考えていました。

しかし、あらがえない大波が押し寄せてき時、逃げるのもあり、と今は思います。

最後に

治療法の確立された病気であれば、確定診断により完治に向けた治療が開始されます。

しかし、サ症の場合、治療法は確立されておらず、薬もステロイドなどの対処療法のみです。

私の場合も、確定診断から病気に慣れるまでは、心身ともに辛く、長いものでした。

しかし、4年を経過した今、前よりも楽しく、元気に、強く生きれていると信じます。

私の難病体験により、同じ痛みを持つ仲間が、辛い状況から抜け出すヒントになればと願います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。