どん、どこ、どうしよ? なかまブログ

50歳を目前に突然、難病を発症。人生後半での大きな困難。もぬけの殻のような日々を過ごしました。しかし、そこから見えて来た新しい景色。残る人生、自分の持つニッチなスキルを何か/誰かの役に立てたい。そんな試行錯誤のブログです。

QOL(生活の質)を上げる【難病と私8】

このブログは、サルコイドーシスや難病の仲間に向け書いています。

ここでは、難病を持つ私が、QOL(生活の質)を上げる試みについて経験に基づき書いています。

初めまして、モモタ侍と申します。

4年前、突然 指定難病のサルコイドーシス(サ症)になりました。

サ症は、体中にできる肉芽(にくげ)と言うできものが、正常な機能を妨げる病気です。

症状は人それぞれですが、私の場合、痛みしびれ疲れ が辛い自覚症状です。

*サ症の詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。

 

難病などの記事を読むとQOLの改善についてよく書かれています。

難病そのものは治らなくても、健康状態全体を改善し、病気前の状態に近づける試みです。

方法としては、治療や薬など医学的なものの他に、自分で出来ることも多いと思います。

ここでは、私が、心と体のQOLを上げる為、4年間で効果を感じた実体験に基づき書いています。

サ症や難病を発症され、困ってられる方が、病気と上手く付き合う為、何かの参考になれば幸いです。

心のQOLを高める

ここでは、心のQOLを高め、自分を取り戻す為にして来たことを書いています。

「難病」と言う言葉にまどわされない

サ症などの難病は、原因がわからず、治療法も確立されていません。

なので「もう治らない」、「もう私の人生終わった」と、全てを投げ出しそうになります。

私も、難病になったショック、病気の辛さで、ひどく気持ちが落ち込む時期が続きました。

しかし、月日の経過とともに、病気と同じくらい(それ以上に)、「難病」と言う言葉自体やその風評が、心に悪影響を及ぼしているように思えてきました。

 

次の2つが、私の心に悪影響を及ぼしていると思う要因です。

①(サ症になる前の)健康な体が戻ってこない絶望感・喪失感 

得体の知れないものになった不安感

もし、これらの感情を、上手く扱えれば、心が少し軽くなるのではないか、と考えました。

 

例えば、①について、サ症を発症する前の体の状態を思い出してみました。

確かにサ症は無かったものの、長い海外(新興国)生活、仕事のストレスなどで、健康そのものとは言えませんでした。

体がダルイ、体調が悪い日も多く、年に1度は熱をだして数日寝込むこともありました。

それに比べ、毎日歩いてお日様を浴び、食事やお酒も管理している今は、サ症はあるものの体調もやる気もそれなりに安定しています。

その証拠に、サ症になってから一度も熱を出して寝込んでいません。

発症は4年前で、そこからの老いによる体力低下も考慮すべきでしょう。

また、失ったモノは大きく思え、過去はいつも美化される。

気持ちの落込みは、そう言った人間の思考の影響も大きく作用していると感じます。

 

②について、私はサ症の特徴の一つ、辛い「痛み」に悩まされてきました。

その為、発症から数年は、どこかに痛みを感じると全てサ症と関連付け、不安がっていました。

下腹部が異様に痛むと内臓のサ症が悪化したのではないか?

歯ぐきが腫れるとステロイドの副作用で顎骨壊死になったのではないか?

結果、お腹は尿路結石、歯ぐきは虫歯など、サ症と全く関係はありませんでした。

また、「痛み」とはやっかいなもので、同じ痛みが続くと神経がその恐怖体験を覚え、どこも悪くないのに体が痛いと感じることが医学的に証明されているそうです。

 

以上のように、自分の思い込みによる不安感などが、体にストレスを与えてる場合もあります。

これらを切り分けて、その部分のストレスを軽減する試みも、心のQOLを高める一つの方法と考えます。

散歩、掃除、植物を育てる

散歩、掃除、植物を育てること、サ症になってから続けてきた大切なモノたちです。

2年半前、サ症が増悪し、会社を休職しました

以前のように働けず、気持ちもどん底で、心も折れそうになっていました。

その上、会社や仕事に依存し過ぎていた私には、それ以外、何も残っていませんでした。

何もかもが憂鬱な日々の中で、なんとか始めれたものが、散歩や掃除、植物の栽培でした。

最初は、散歩と言っても、呆然自失で近所を徘徊しているような状態だったように思います。

しかし、2~3カ月ほど経った頃でしょうか?

少しずつ周りの景色が見え始めました。

それから、少しずつ頭が鮮明になり始め、心に元気が戻り始めました。

そして、最後には歩くペースと共に生活のペースも、以前のように戻り始めました。

 

サ症になって海外から帰国したのを機に、断捨離をしました。

残りの人生や生活で必ず使うモノだけを残して、後はバッサリと捨てる。

少しモノが溜まれば、見直してまた捨てる、を繰り返し部屋の中をシンプルにしました。

部屋の中=その人の頭の中 だそうです。

掃除をすることで、頭が整理され、前を向く為の新しい発想が浮かぶことがあると本で読みました。

 

ベランダで植物(多肉植物や野菜)のプランターでの栽培を始めました。

私は、気が短く、また手抜きが下手な性格で、最初、植物栽培は手こずりました。

手を掛けて水をやりすぎると枯れる、かと言って放っておいても枯れる。

しかし、急がずに、植物の成長を見ながら、必要最小限の手助けをすると上手くいくことに気付きました。

植物は、私に、気を長く持ち、手抜きも必要であることを教えてくれました。

また、野菜作りは、家計の助けにもなり、自分で作った野菜は美味しく感じます。

 

難病になるのは、私も含め、手抜きができず、繊細な性格の方が多いようです。

そう言った人は難病発症の前後で、体と同時に心を痛められることが多いと思います。

私にとって、散歩、掃除、植物栽培は自分のペースを取り戻し、心の傷を癒し、再び前に進ませてくれる効果があったのだと実感します。

睡眠の質を高める

CPAPと言う機器を使って睡眠の質を高めた試みについて書いています。

私の悩みの一つに、加齢とともにひどくなるイビキがありした。

イビキは、周りの迷惑以外に、恐い病気(睡眠時無呼吸症候群など)のシグナルだったりします。

2年前に一度、検査をした時は睡眠時無呼吸ギリギリの状態でした。

その後、耳鼻科に通い、枕を変えたり、いろいろ試しましたがイビキは全く改善しません。

最近では、いくら寝ても眠気が取れず、昼頃に恐ろしい眠気に襲われていました。

また、夜中に変な夢をよく見て、息苦しさで目が覚めることが多くなりました。

そこで、イビキの専門医を探して再検査してもらいました。

結果、かなり重度の睡眠時無呼吸で、最長無呼吸時間は 約2分間近くでした。

寝ている間の血中酸素量が大幅に低下し、溺れながら寝ている状態と言われゾッとしました。

そこで、保険適用でCPAPと言う機器を使用する事が出来ました。

CPAPは、顔(鼻)に付けたマスクに空気が送り込まれ人工的にイビキをかけなくする装置です。

私の場合、効果てきめんで、イビキは全くなくなり、血中酸素量も正常化、昼間の眠気も減り、変な夢も見なくなりました。

そして、それまで100回/分 以上と頻脈気味だった脈拍数が安定化しました。

恐らく、心臓などにも負担が掛かっていたのでしょう。

CPAPは対処療法ですが、保険適用で月4,000円強、効果も目に見え、QOLの改善を助けてくれています。

 

体のQOLを上げる

私のサ症は、痛み、シビレ、疲れが、辛い自覚症状でQOLを落とす主因です。

これらの自覚症状を少しでも弱め、体を良い状態に保つ為、ストレッチとマッサージを続けています。

ストレッチは全身の為、継続的に、マッサージは局部的に、局所的に、両者を棲み分けて行います。

どちらも良いコーチ/先生に恵まれ、体のこともいろいろ教えてもらえています。

ストレッチ

私は、2週間に一度、30分間ストレッチを受けています。

日本ではストレッチと言うとスポーツマンのすることのように思います。

しかし、アメリカでは、リハビリと同じように一般大衆に根付いているようです。

私のストレッチは、日本ではスポーツ後にする(静的)トレーニングの部類に属すそうです。

 

人間は生まれ持った姿勢や筋肉の使い方が、一番バランスが良く、体に負担が掛からないそうです。

なので、正しい筋肉の使い方を再び体に覚えさせ、それに連動して骨や神経も正しい状態に戻すことが私のストレッチの目的です。

例えば、肩こりの対策として、肩甲骨の辺りの筋肉をコーチに柔らかくしてもらっています。

本来、肩甲骨周りの大きな筋肉で頭をで支えるべきなのに、楽な姿勢に慣れ、間違った筋肉を使うことで首や肩に負担が掛かって肩こりが発生するそうです。

コーチから、体・筋肉の仕組みを学びつつ30分、家に帰って自分でも出来るのがメリットです。

おかげさまで、大きな気温・湿度変動のあったこの冬を、比較的安定して過ごせました。

ただ、ある程度継続しないと効果が見えにくいのが難点だとコーチは言います。

 

その他にも、体のもとになるたんぱく質を効率的に取るためのプロテイン活用法。

筋膜のはがし(筋肉の萎縮、癒着を正常な状態に戻す)機の活用法。

など 目から鱗の情報もコーチに教えてもらって、楽しくQOLを上げています。

マッサージ

サ症による下肢のシビレが強いとき、気温や湿度が大きく変化して首がむち打ちのようになる時、マッサージに行きます。

長期的な効果はありませんが、押してもらうと下肢のシビレがぼやけ、楽になります。

首も楽になることで、張り詰めていた気持ちがほぐれます。

「痛み」を弱め、難病や後ろ向きな気持ちを忘れられる時間を長くすることはとても大切です。

私にとって、マッサージは、痛みやシビレの頓服薬的な効果を持っています。

 

最後に

QOLを上げる追加対策として、漢方薬を試して見ようと思っています。

私の場合、プレドニン(ステロイド)を10mg前後まで減らすと、サ症が再燃します。

先生方は、長期的には10mgの維持量では、まだ多いとおっしゃいます。

かと言って、痛みが出て、病気を思い出すことは、私にとって一番避けたいことです。

サ症に抗炎症系の漢方が効いたと言う、症例報告を読みました。

私の痛みには、抗炎症剤のロキソニンが良く効きます。

副作用の少ない漢方薬を併用して、副作用の多いステロイドの減量を図れないか?

幸い、神経科の主治医が東洋医学の専門でもあり、いろいろ聞いて試そうと思います。

和洋折衷、近くの神社のお参りなど、お金を掛けずにQOLを上げることはなんでもしようと思います。

また、何か良いものがあればご紹介いたします。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

この記事を書いている人

モモタ侍
50歳を目前に突然、指定難病サルコイドーシスを発症。 30年の会社生活で積上げたモノを全て失ったかに思いました。 しかし、そこから見え始めた全く新しい景色。 1)患者目線の難病との付き合い方相談 2)海外の生産・販売会社経営の経験を生かしたコンサル 3)日本に住む外国人へのサポート  など 自分の経験・強みが、何か/誰かの役に立たないか? セカンドライフに向け摸索、準備を続ける日々です。

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