このブログは、サルコイドーシス(サ症)や難病の仲間に向け書いています。
サ症になって、これまで2度の検査入院、1度のステロイド治療入院を経験しました。
ここでは、難病の確定診断時に良く行う、検査入院とは何をするのか。
その他に、入院時の準備や、入院中に感じたことなど実体験に基づき書いています。
みなさまの何かのお役に立てば嬉しく思います。
初めまして、モモタ侍と申します。
4年前、突然 指定難病のサ症になりました。
サ症*は、体中にできる肉芽(にくげ)と言うできものが、正常な機能を妨げる病気です。
症状は人それぞれですが、私の場合、痛み、しびれ、疲れ が辛いです。
*サ症の詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。
検査入院とは
発症からの4年間に、2度の検査入院、1度のステロイドによる治療の為の入院をしました。
それまで、入院とは、手術や投薬など 何か治療をして体を治すものと思っていました。
なので、「検査入院しましょうか」と最初に言われた時、何をするのかイメージ出来ませんでした。
検査入院とは何をするのか? 結果から言うと、その名の通り、毎日ひたすら検査をしていました。
サ症など 治療法も確立されていない難病の場合、病気を確定する為の、明確な検査法も無いようです。
その為、多角的に検査して、他の病気の可能性を排除し、最終「確定診断」にたどり着きます。
私の場合は、自覚症状が強く、沢山の臓器にサ症固有の病変が出たので早く判明しました。
しかし、沢山の検査をしても、なかなか確定診断が出ないケースもあると症例報告で読みました。
1回目の検査入院は、毎朝、血液を取って、日中に1つは何かしらの検査がありました。
私は、肺、目、神経、肝臓、皮膚など全体にサ症の病変があります。
なので、肺の気管支鏡検査、神経の髄液検査などの少し大変な検査から、各臓器ごとのMRIやCTなど 細部に至るまで、沢山の検査を受けました。
入院期間は1か月でしたが、発症直後で病勢の強い時期で、検査時間以外、ほぼ眠っていました。
2回目の検査入院は、1回目から約1年半後、病気が増悪したタイミングでした。
中身は、前回と同じく、一連の再検査、痛みやシビレに対する投薬とその経過観察などでした。
この時も、約1か月の入院でした。
3回目は、昨夏、肺の機能低下が進んだので、ステロイド導入の為の治療入院でした。
治療と言っても、根治する訳では無く、あくまで病勢を抑える対処療法です。
何をしていたかと言うと、プレドニンと言う薬を飲んで、薬の効き目や副作用が無いか、を検査で経過観察する毎日でした。
前2回とは違い、薬で、日々、元気になるので、筋肉を落とさない為のリハビリが追加されました。
難病の場合、入退院を繰り返すとよく聞きすが、検査入院や増悪時の対処の為、入院をするのだと思います。
また、完治と言わないのは、誰も原因や治療法が分からず「治った!」と言えないので、寛解*と言うあいまいな言葉を使うんだと、自分では理解しています。
*寛解・・・病気の症状が、一時的あるいは継続的に軽減した状態のこと
入院時 役に立った持ち物
これまで3回の検査入院をし、いずれも約1カ月の入院でした。
旅行と同じで、入院も慣れると、その経験により持ち物が改善されていきます。
これまでの経験に基づき、入院時にあって便利だったものを参考まで下記します。
尚、持ち物は病院の規則があると思うのでそれにあわせご準備下さい。
- 日用品 :スポーツタオル(お風呂用)、タオル、下着、靴下、(着衣は病院でレンタル)
- 食事 :お箸、プラスティックコップ/スプーン/フォーク、小さい調味料、保温ポット
- 除菌グッズ:ウェットティッシュ(詰め替えも)、除菌ジェル、マスク
- お風呂用品:シャンプー、ボティ石鹸、垢すり、汗拭きシート、ブラシ
- 歯磨き :髭剃り、鼻毛カッター、お口クチュクチュ、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロス、舌ブラシ
- 文房具 :ボールペン、ハサミ、付箋、クリップ、封筒(入院手続きなどの為)
- その他 :ティッシュ(詰め替え用)、輪ゴム、綿棒、爪切り、エコバック、ゴミ袋、置時計、耳栓、イビキテープ、ファブリーズ、目薬、スティックコーヒー など
検査→入院→現実を知る 入院中よく見る光景
私のサ症は、いろいろな自覚症状がでて、何の病気かよくわからないまま入院。
1か月の検査入院の経過の中で、サ症と言う難病が判明しました。
入院から難病と分かった過程や、心の動きは以下のようなものでした。
これらは、その後も、(重い病気と知らずに)入院して来た患者さんに、よく見られる光景でした。
- 患者さんは、仕事着のまま、いつもの日常の延長で、病棟にやってくる。
- その時、自分の病気が重大、と数分後に知るとは夢にも思っていない。
- 医師から病気の説明を受ける内に、何かとんでもないことになった!のでは?と感じ始める。
- 仕事は?家庭は?、それ以前に自分はどうなる?と混乱する。
- はじめて直面する死と言う得体のしれないものへの恐れ、不安、眠れない日々。
- そして入院生活が開始。 手術や治療などが始まる。
- 入院、闘病の日々の中で、少しずつ自分の病気、置かれた現実を受入れ、慣れていく。
- そして最後には、健康の大切さや、命のありがたさを本当の意味で知る。
お伝えしたいのは、これらの感情や心の動きは、みんな同じなので恐れる必要は無いこと。
大切なのは、1~5の期間に「心が折れないよう」過ごし、なんとか乗り切ること。
その為に、周りのいろいろな支援者の助けを借りることが大事と思います。
人間良く出来たもので、上記7~8辺りになれば、その状況に慣れ、辛い過去も忘れ、また新しい日常が必ず戻ってきます。
私の経験から、この事実を同じ不安や悩みを持つ方々に知って欲しいと思います。
入院中、患者(私)が出来ること
3回目の入院時は、コロナ禍で医療現場がひっ迫しつつある状況でした。
私の病棟を見ても看護師さんが暇なく走り回ってられました。
若くて、元気いっぱいの看護師さん達でした。
それでも、夜勤明けの疲れ切った後ろ見ると、少し心配にもなりました。
コロナ禍の病棟
医療従事者不足にコロナが重なり、少ない看護師さんで沢山の患者さんを診てられます。
3密を避けるためか、最初の入院時より個室利用の患者さんが目立ちます。
話は変わりますが、以前、海外の生産会社で生産現場の管理をした経験があります。
例えば、テレビを生産する時、屋台方式と呼ばれる一人で一台を生産する方式は、分業式の生産ラインに比べ大幅に効率が落ちます。
各人が同じ動作を繰り返すライン作業に比べ、屋台方式は一人が沢山の違った動作をするからです。
病棟も同じで、看護師さんにとって、個室の管理は、相部屋より効率が悪く見えます。
これも医療現場のひっ迫を招いている一因なのでしょう。
患者として出来る事
このひっ迫した状況に、何か患者としてお手伝い出来る事はないかと考えました。
一つは、患者として、無理ない範囲で、看護師さんの効率が上がるように心がけました。
基本的なことですが、例えば、食前、食後の薬を自分で忘れず飲む習慣づけ。
体重と検温は看護師さんの巡回前に済ませておき、結果を伝える事前準備など。
一人のほんの少しの準備だけで、病棟全体では大きな効率改善につながります。
また、看護師さんは、患者さんと非常に上手にコニュニケ―ションされます。
患者さんの状態把握の為、大切なスキルの一つなのでしょう。
辛く長い入院生活中、看護師さんとの会話にいつも救われていました。
お返しに、看護師さんが必要な情報(体調のこと)は、事前にまとめて簡潔に伝えれる準備をしました。
これらのことを患者として無理ない範囲できる貢献と考え実践していました。
最後に
難病など 治療法が確立されていない病気は、病気の勢いが強まったり、弱まったいするので入退院を繰り返すこともあります。
とは言え、私のサ症の場合、入院と言っても、特別恐れることは無く、検査したり、薬を飲んだりが大半です。
食事内容もコントロールされ、規則正しい入院生活は、体調を落ち着かせてくれる効果もあります。
入院期間は、時間もあるので、仕事や家庭のこと等いろいろ悩むかもしれません。
しかし、これも神様が与えてくれた休息時間と割り切って、ゆっくり休むのが体に良いように思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。