このブログは、サルコイドーシスや難病の仲間、ステロイド治療に関心がある方に向け書いています。

ここでは、昨年、私が始めた、ステロイド治療の副作用について実体験に基づき記事にしています。

初めまして、モモタ侍と申します。

2017年の夏頃、突然、サルコイドーシス(サ症)と言う指定難病になりました。

サ症は、肉芽(にくげ)と言う肉の塊(かたまり)が体中にでき、正常な機能を妨げる病気です。

症状は人それぞれですが、私の場合、痛みしびれ疲れ が、つらい自覚症状です。

*詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。

 

私は、昨夏(20年)から、肺サ症の悪化により、ステロイド剤(人体の副腎皮質と言う器官から分泌されるステロイドホルモンを基礎に作られた薬)内服による治療を始めました。

ステロイドは、素晴らしい薬である反面、副作用が大きな問題になる薬です。

関連記事を読むと、その効果や副作用も、人によってバラバラのようです。

あくまで一例ですが、現在/今後、ステロイド治療をされる方の、何かのご参考になれば幸いです。

尚、薬の処方等は、全て主治医(専門医)の指導によるものです。

発症~ステロイド治療までの経過

私のサ症は急性で、心臓を除いた大半の臓器に病変があり、強い自覚症状も多くでました。

サ症は、その一部が慢性化、難治化する一方で、自然寛解することも多い病気です。

自然寛解を視野に約3年間、経過観察してきました.

しかし、徐々に肺の影が悪化、呼吸機能も低下してました。

そこで、昨夏、入院してステロイド剤(内服)による治療を始めました。

私の服用するステロイドは、プレドニンと言う、オレンジ色のとても小さな錠剤です。

しかし、この小さな粒が、私には劇的な効果をもたらしました。

ステロイドのいろいろな副作用

今、ステロイドの内服を始めて1年弱になります。

ステロイドの主な副作用に、日和見感染、骨粗しょう症、糖尿病、ムーンフェースなどがあります。

ここでは、私の実体験も交えて、ステロイドの副作用について書いています。

日和見感染

ステロイドの副作用の一つとして免疫力低下があります。

健康体なら問題ない病原体(カリ二肺炎、カンジタなど)に感染する、日和見感染(ひよりみかんせん)を起こすことがあります。

私の治療は、20年8月初に入院し、プレドニン 30mgから始まりました。

開始から2~3週間目が、特に感染症を起こしやすいので注意するよう、主治医に言われました。

外部と遮断されたコロナ禍の病棟。

感染リスクは非常に低い状況でしたが、それでも以下の軽い感染症を自覚しました。

  • 皮膚の生検をした傷口の治りが悪かった。→ 抗生物質+塗り薬で3週間ほど掛かりました。
  • 口腔カンジタに感染し、舌が真っ白になりました。→ 毎日、ブラシで舌の表面の菌を取りました。

今は、バクトラミンと言う、免疫増強の薬(1錠/日)を服用しています。

その後、感染に係わる目立った副作用は出ていません。

骨粗しょう症 や 顎骨壊死(がっこつえし)

入院中に、骨粗しょう症のリスク予測のため、骨密度を図りました。

レントゲン写真を撮るような機械で、痛みも無く、簡単な検査でした。

 

背骨の骨密度は同年齢の平均値以上でしたが、下肢は平均値の80%くらと異常値でした。

思い起こすとサ症発症時、一時的に歩行障害がでて、足を引きずっていた事がありました。

その後治りましたが、サ症は下肢の骨/筋肉に影響していたのかもしれません。

 

ボナロンと言う、骨を強くする ゼリー状の薬を週1回飲んでいます。

この薬は、飲んでから30分間は、寝転んではいけない、少し変わった処方のお薬です。

ボナロン(ビスホスホネート系薬剤)の副作用で アゴの骨が腐る、顎骨壊死(がっこつえし)になることがあるそうです。(確率は低いそうですが)

抜歯した所などから菌が入り、治療に1~2年も苦しむ人がいると、口腔外科の先生に聞きました。

そこで、服用前に治療の必要な歯が無いか、歯科検診を受けました。

週1回の薬なので、飲み忘れに注意です。

糖尿病と血糖値

私のサ症の自覚症状の一つに、味覚障害がありました。

何を食べても同じ味で、味が無く、とても辛い時期が続きました。

その後、治った気でいましたが、ステロイド治療が始まると劇的に味覚が改善しました。

(舌の神経の肉芽が小さくなり、味を沢山感じれるようになったのでしょうか?)

食事が美味しく、また、ステロイドの副作用の食欲増進も加わりました。

たった3カ月で4キロも太り、あっという間に血糖値(HbA1c)も高値になりました。

食欲に任せて食べると体重も血糖値も上がるので、毎朝体重を図り、体重維持に取り組んでいます。

食事は、朝、昼を多めに、夜は少なめに変更しました。

体を作るタンパク質を効率良く接種する為、プロテインも上手く活用しています。

昔から、いくら食べても太らない私が、まさか、ダイエットを意識するとは。。。

人生、何が起こるか分かりません。

骨の為に、理学療法士の先生に教わった、サバ缶、もずく、豆なども意識して取っています。

また、肝臓のγGTPと言う数値が、300前後の異常値(正常69以下)になりました。

これも薬の副作用、サ症の影響などですが、お酒を飲むのを週2回ぐらいに減らしました。

 

その他の副作用

他にも、いくつか副作用らしきものが発生しました。 

  • 気持ちがたかぶる

 ハイな状態が続き、意欲が湧きすぎ、寝付けず、心のコントロールに少し苦労しました。 

 異様な意欲に任せて活動すると、後でドッと疲れが来るので、平常心を養う訓練が必要でした。

 私は躁(ソウ)でしたが、反対に鬱(ウツ)になる人もいるようです。

  • ムーンフェース 

顔がしもぶくれのようになりました。 プレドニン10mgに近づき少しましになりました。

  • 多汗症

少し歩くと異常に汗が噴き出て、シャツがビチョビチョになります。

ボティ―シートが手放せなくなりました。 男性の更年期もあるかもしれません?

 

ステロイドは、長期間、大量に使うほど副作用のリスクは高まることを主治医に教えてもらいました。

副作用が出る/出ない、副作用の種類も、人によって様々だそうです。

しかし、これらの副作用を大きく上回るQOL(生活の質)の向上を実感出来ています。

ステロイドは、今の所、私にとっては「魔法の薬」です。

ステロイド副作用対策(私の一例)

以下は、ステロイドの副作用対策として、この1年、私が取り組んできた実体験です。

ステロイドの副作用は、本当に、人により様々らしいので、ほんの一例ですがご参照ください。

いかにステロイドを減らすか

副作用を減らすには、やはり使用量を少なく、使用期間を短くするのが第一です。

私は、今、53歳で プレドニン30mgから始めました。

残りの人生を考えると、まず10mgを切ることが目標です。

しかし、8mgまで減らしましたところで、再燃し、現在12mgまで再増量中です。

再減量できない場合、免疫抑制剤(リウマトレックス)を併用する検討も始まりました。

しかし、免疫抑制剤にもまた副作用があるそうで、結局、いたちごっこです。

サ症に漢方が功を奏した症例報告*を読みました。

神経科の先生が、東洋医学も扱われていて、再減量時は漢方の併用を試す予定です。

*呼吸誌1(1)2012:漢方治療が奏功した全身症状を伴うサルコイドーシスの1例

散歩とストレッチ

将来の骨粗しょう症のリスクを減らす為、散歩を習慣にしました。

歩くと骨や筋肉が刺激され、体力維持にも良い、一番簡単な全身運動だと、入院中に理学療法士の先生に教えてもらいました。

サ症の発症時は、心も痛んでいたので、ぶらぶら散歩が、心を休めるのにも良かったです。

5000歩/日で 週3~5回、月平均 3000歩/日を目標に歩いています。

 

ゆっくりした呼吸に意識を集中しながら歩くのがポイントと教わりました。

もちろん、日々の体調が第一優先です。

私はこの手のことが長続きしないのですが「ながら歩き」が、効果を発揮しました。

例えば、空調の効いた病院や買物の待ち時間を使い、ウロウロと歩数を稼ぐようにしています。

この効果もあり、この1年間続いていて、毎月の目標を達成しています。

 

ストレッチは、日々のQOL(生活の質)を上げる目的でやっています。

近所に良いストレッチのコーチを見つけたので、隔週30分してもらいます。

ストレッチをしてもらいながら、体や筋肉の仕組みを教えてもらいます。

例えば、昔、学校で習った方法だと、背中の筋肉が伸びるだけで効果が薄いそうです。

上半身と下半身をつなぐ、腰あたりの筋肉を伸ばすのが正しい方法とのこと。

体の構造を理解して、正しい筋肉を使うことで、自然と姿勢も良くなるようです。

 

他にも肩甲骨(けんこうこつ)を動かす大切さや、酸素の摂取量を増やす方法も教えてもらいました。

筋膜はがし機器や、安くて良いプロテインも教えてもらいました。

教えてもらったことを、自分で家で継続して実践出来るのも大きなメリットです。

簡単な器具を使ったリハビリ

他にも入院中のリハビリで学んだ、軽い筋トレも出来る範囲でやっています。

  • 椅子に座って、1kgの重りを巻いた足首の上げ・下げを20回、2セット/日。
  • 立った姿勢で、つま先立ち&戻すの繰返し、20回、2セット/日
  • バランスボードも正しい筋肉を鍛えるのに効果的だそうです。

最後に

ステロイドに対して、ネガティブな印象を持つ人を多くみます。

作用⇔反作用(効果⇔副作用)の功罪があるからだと思います。

私は、この薬に命を救ってもらったので、やはり素晴らしい薬だと思います。

後は、いかに副作用を上手くコントロールするかです。

 

ステロイドのサ症への有効性は、医学的に、まだ確立されてないようです。

しかし、少なくとも、私のサ症にはステロイドが良く効いています。

今は、長期的視野から、ステロイドを軸に体力をつけ、薬の減量を最優先で進めています。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。