このブログは、サルコイドーシス(サ症)や難病の仲間に向けて書いています。
サ症の症状・経過は実に多様で、また希少疾患なので患者目線の情報が少なく感じます。
ここでは、サ症とはどんな病気か?
心臓を除くほぼ全身にサ症がある私の4年間の体験に基づき書いています。
サ症のほんの一例にすぎませんが、何かのご参考になれば幸いです。
初めまして、モモタ侍と申します。
2017年の夏頃、突然、サルコイドーシスと言う指定難病になりました。
サ症*は、肉芽(にくげ)と言う肉の塊(かたまり)が体中にでき、正常な機能を妨げる病気です。
症状は人それぞれですが、私の場合、痛み、しびれ、疲れ が、つらい自覚症状です。
*詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。
サ症とは?私の症状
サ症は体のいろいろな場所に良性の肉の塊が出来て、臓器や体の機能に悪さをする病気です。
私は、急性サ症(レフグレン症候群)と言う日本ではとても珍しい型のサ症です。
発症したのは突然で、数カ月の間に複数臓器に沢山の症状が出ました。
サ症があるのは 眼、肺、皮膚、神経、肝臓、脾臓 など 心臓を除くほぼ全てです。
今迄に経験した症状は、痛み、シビレ、疲れ、寝汗、飛蚊症、光視症、咳、息切れ、めまい、微熱、耳下腺の腫れ、筋力の障害など、実に多彩で、いくつかの症状は今も残っています。
よく見聞きする疑問
私は、市の難病支援センターでサ症の仲間相談員をしていますが、そこでサ症の仲間と話していて、各々の理解がバラバラに感じる事がよくあります。
これは、サ症と言う病気が持つ、以下の特殊性が原因だと思います。
特殊性1:症例が非常に少ない。(発症率は10万人に1人とも)
特殊性2:発生する臓器、自覚症状が人によって全く違い、多様である。
以下は、ネットや相談会でよく見聞きするサ症の疑問・それに対する私の体験です。
サ症は、自然寛解*が多いと聞くのが、放っておいても大丈夫?
*寛解:症状が一時的に軽くなったり,消えたりした状態。再発の可能性もある。
私もサ症になった時、全く同じことを考えました。
発症当時、海外で働いていて、かつ多忙だったので、帰国せずに様子をみよう、とも考えました。
しかし、この考え方は危険だったと、サ症のことを良く知った今は思います。
サ症も含まれる、難病の定義(難病法)は以下の通りです。
- 発病の機構が明らかでなく
- 治療方法が確立していない
- 希少な疾患であって
- 長期の療養を必要とする
ざっくり言うと、以下のような感じでしょうか。
- なぜ病気になるのかも、病気の経過がどうなるのかも、分からない。
- 悪くなっても適切な治療方法が分からない。
例えば、私の急性サ症(レフグレン症候群)は、一般的に予後が良いと書かれています。
なので、最初、直ぐ治るものと大喜びしていました。
しかし、徐々に肺機能や肺画像は増悪していき、3年目にステロイド治療に踏み切りました。
今も、治る兆しは見えず、慢性化しそうな感じです。
初めから優れた専門医に受診できて運が良かったですが、自分で判断していたら危ない所でした。
難病は、その名の通り難しい病気です。 まず、専門医に診てもらうのが必須と考えます。
参考資料:
- 難病情報センターHP→ 国の難病対策 →2015年から始まった新たな難病対策 →4)指定難病とは?
- 日呼吸会誌43(12),2005.:多彩な症状を呈したサルコイドーシス(Lofgren症候群)の1 男性例
検査をどこまでやるか?
自覚症状が無いのに、肺に気管支鏡を入れる検査まで必要?と言うのも良く聞きます。
私は、最低1~2回/月の検査を受け、過去に2回、検査入院(各1ヵ月ほど)をしました。
その中で、以下の2種類の検査は必須と思います。
- 確定診断を受ける為の検査
- 生命や生活に係わる臓器の検査(私の場合 眼、肺、心臓の経過観察)
1.は、何の病気なのか知ると同時に、医療費助成制度を受ける為にも必要です。
医療費助成制度は、難病のように一生付き合う病気は、必ず受けておきたい制度です。
そして、申請には確定診断が前提になります。
例えば、インフルエンザのように、サ症を特定する検査キットのようなものはありません。
なので、他に疑われる病気の可能性を検査で排除して行き、サ症と確定させます。
例えば、 私の場合、サ症の血液マーカーとされる sIR-2R と言う値が高値でした。
これは、サ症の血液マーカーとされる一方、悪性リンパ腫でも高値になります。
そこで、気管支鏡を使って肺の組織検査をして、サ症の確定診断を得ました。
サ症は治療法が未確立のため、発症時とのその時々の状態との比較で経過を見ることになります。
特に、命や日々の生活に係わる臓器は、医師の指導に沿って、定期的に見ることが大事です。
また、発症時は、比較の起点になるので、その意味からも状態を正確に把握することが大切です。
仕事が忙しいから、検査入院できないとの声も良く聞きます。
しかし、自分の一生に係わること、最初にキッチリ見てもらえば、後々安心して過ごせます。
自覚症状が無いから平気?と言う人がいますが、肺などは、よほど悪くならないと自覚症状が出ません。
私の肺も発症時、何の症状もありませんでしたが、徐々に悪化しました。
会社の定期検診を受けても、サ症の特殊な血液マーカー は検査項目にありません。
またサ症の専門医が見ないと的確な判断が出来ません。
いろんな病院をたらい回しにされた
良く分からない検査や手術を勧められた。
何年たっても病名が確定できない。 もよく見聞きします。
これは、何でも話せて信頼出来る病院や医師と出会えてないのが原因では?と思います。
病院や医師に恵まれていると感じる私には、こう言った疑問やストレスはありません。
以下のような条件がそろっていれば、上記の疑問やストレスは少ないと思います。
- 何でも相談でき、納得いく回答をくれる(新しい医療技術のある)専門医が多くいる
- サ症は全身疾患なので眼科、呼吸器内科、循環器内科など 科をまたぐ横の連携が取れている
となると、やはり総合病院や大学病院でしょうか。
医師との出会いも一期一会、良い医師に早くめぐり会えることを願います。
最後に
難病をなめてはいけない、でも丁寧に接すれば、良い関係が築ける、気がします。
それまで気付かなかった一つ一つのことがありがたく思えます。
残る時間も、一日一日大切に使いたいと思います。
いろいろな気持ちがぐるぐる回りますが、今が幸せと思えるのは良いだと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。