このブログは サルコイドーシス(サ症)や難病の仲間に向けて書いています。

サ症のような難病は、病気と上手く付き合って行くことが、大切と言われます。

私も、発症後、この4年間、病気との付き合い方を模索してきました。

その中で有効だったのは、私のサ症に係わる人達(私、医師、その他支援者)の役割分担を決めておくことです。

そうすれば、もし問題が起こっても、頼む人が明確になり、余計な不安が一つ減ります。

私が実践して来た、役割分担の例が、何かのお役に立てばと思います。

 

初めまして、モモタ侍と申します。

私は約3年前にサルコイドーシス(サ症)と言う指定難病を発症しました。

サ症は、体中にできる肉芽(にくげ)と言うできものが、体の正常な機能を妨げる病気です。

症状は人それぞれですが、私の場合、痛みしびれ疲れ が辛いです。

*サ症の詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。

病院、医師との関係

難病は、病院や医師との、長い、場合によっては一生の付き合いになります。

なので、自分の相性にあう医療環境を、自分で探すことがとても大切だと思います。

私の病院は車で1時間程で、多い時は、月に2~3回/は検査、診療で通います。

全てにおいて相性が良ようで、4年経った今でも、通うのが苦になったことはありません。

以下の通りです。

  1. 自分の相性に合った専門医がいる。(遠慮なく相談でき、納得いく回答をくれる。医師との出会いは一期一会)
  2. サ症は、全身疾患なので、臓器別(縦)だけでなく、横断的に診てもらえる仕組み(例、総合診療)がある
  3. 一つの臓器を、多角的な視野、治療方針で診れるよう、複数の専門医がチームで動いている

上記、条件を満たすのは、やはり大学病院など いわゆる大きな病院だと思います。

信頼できる医師団に出会う

早い段階で自分に合った病院・医師に会えることは、不安やストレスを軽減するのにとても大切です。

例えば、私にとっての信頼できる医師像です。

  • 自分の性格にあう、相性の良い医師。
  • 話しやすく、なんでも聞いてもらえる
  • 質問に対して、素人でも理解・納得できる回答が得れる。
  • 医学的だけでなく、患者の心も考えて診てもらえる。

私は、神経/呼吸器/循環器内科、眼科、神経科 を受診しています。

医師との相性が良いと、通院が多くても全く苦になりません。

大きな病院では、医師の選択肢も多く相性の良い医師に会うチャンスも広がります。

 

遠慮なく質問、依頼する

私は痛み、シビレ、疲れがとても辛い自覚症状です。

この辛さえ除いてもらえば自分のQOLは大きく改善します。

が、伝え方が未熟で「ステロイドを使って下さい」とよく言いました。

ある時期、痛みがとても辛くて思ったままに

「痛みが辛くて日常生活が送れません。何とかしてください」

とお願いしたら、痛みやシビレを取り除くいろいろな対策をしてもらえました。

学んだのは、患者は自分の辛くてたまらない自覚症状と場所だけ伝えればよい。

(えらい)お医者さまにそんなこと言えないと悩んでる方が仲間相談にこられます。

が、自分の体は自分で守る。私の先生方はハッキリ聞いても的確に答えて下さいます。

私(サ症当事者)の役割

当時者としての私の役割は、とにかく体と心の状態を安定的に保つことです。

その為に、いろいろな投薬を試したり、QOL(生活の質)を上げる取組みをしたり、病気を受入れる訓練をしたりします。

この4年、ステロイド、免疫抑制剤や漢方薬など いろいろな薬を試して来ました。

歩いて足の筋肉をつけ、ストレッチで呼吸機能を高め、マッサージで下肢や首の辛い症状に対処し、QOLを上げてきました。

病気を少しずつ受け入れ、心の不安感を取り除く取組みをしてきました。

まず、当事者である私が元気であれば、周りのみんながハッピーもあると実感します。

日々の症状を日記につける

大学病院の専門医はたくさんの外来患者を診ています。

時間が無い中で、患者がとりとめなく話すと医師にも負担が掛かります。

スムーズな会話は患者、医師 双方の信頼関係にも大切と思います。

私は毎日の体調を日記につけ、そのまとめを準備して受診します。

  • 毎日の体調を〇、△、✖で日記につける。
  • 前回からの症状の推移、新たに出た問題。
  • 特に改善して欲しいことがあれば強調。

大学病院の場合、医師は大学生を教える教師でもあります。

患者が病気を学ぶ姿勢も好ましく映るのではないでしょうか?

私と医師との役割

私のサ症について、私と医師との役割分担は以下の通りです。

1.私の役割

  1. サ症の当事者として、病気の概要を知る。
  2. 検査数値に沿って、健康管理(歩く、お酒を減らす など)をする。
  3. 経過観察時に、前回からの健康状態を具体的、かつ簡潔に説明する。
  4. 特に、辛い/取り除いて欲しい自覚症状があれば、医師に依頼する。

2.医師の役割

  1. 私の情報に基づき医学的な治療や投薬方針をアドバイス、決定してもらう。
  2. 経過観察において、定期的な必要な検査のスケジューリングをしてもらう。

例えば、私の場合、一番辛いのは、痛みの自覚症状です。

私の役割は、医師に、辛い痛みの症状を伝えることです。

痛む時期、種類、特徴などを、日々メモに取り、要約して医師に伝えます。

サ症の痛みは多彩、かつ複雑なので、あの手この手を使って、根気よく伝えます

自覚症状が上手く説明出来れば、私の役割は終わりです。

次は医師の役割で、専門知識と技術を駆使して、痛みを取る対処をして下さいます。

医師の役割部分について、素人の私から(質問はしても)口出はしません。

役割分担に基づく信頼関係に基づき、医師と日頃から情報のキャッチボールをする事は、とても大切です。

ステロイドを使って下さいと何度も頼んだ時期がありました。

しかし、最近少し理解出来て来たのは、医師は臨床経験に沿って

総合的に判断して治療のタイミングを決めていること。

  • ステロイドの副作用の確率の高さ。
  • 私が生きる期間とステロイドが体に与える影響。
  • サ症に対するステロイドの効果と副作用を天秤にかける など

結果、ステロイドを使わず2年経過出来ている事実が今あります。

ふと去年亡くなられた有名な俳優さんの言葉を思い出しました。

「医学的なことは(信頼できる)医師にまかせる、それがダメなら寿命」

支援者

難病において、的確なアドバイスをくれる支援者を持つことは、精神面でもとても大事です。

保健所など行政(医療費助成制度)

長く付き合っていく難病にとって、医療費助成制度の活用は、とても大切です。

この申請手続きを、市の保健所で、サポートを受けながら、毎年しています。

私が毎年行っている、医療費助成制度 申請の実体験は以下の通りです。

  1. サ症の確定診断を受けた病院で、臨床個人調査票を作成してもらう。
  2. 申請書と必要書類を、保健所でチェックしてもらい提出する。 
  3. 都道府県の支給認定を受けると特定医療費(指定難病)受給者証が送付される。(申請から3カ月ぐらいかかる)
  4. 経過観察で通院する病院(私は確定診断の病因と同じ)の支払い時、受給者証管理表を出すと給付が受けれます。

 

下記1か2を満たすと難病法の医療費助成の対象となります。

1)重症度分類

  • サルコイドーシスの確定診断がある。
  • 重症度分類等に照らして病気の程度が一定以上の場合。

2)軽症高額該当

  • サルコイドーシスの確定診断がある。
  • 高額な医療の継続が必要と認められた場合

尚、正確な情報は、難病情報センターHP→ 医療費助成制度 をご確認下さい。

難病支援センター

難病やサ症は希少疾患なので、仲間も情報も少なく、孤立し不安になりがちです。

その為、問題を一人で抱え込み、何度も心が折れそうになります。

そんな時、難病支援センターの取組みへの参加が私を勇気づけてくれました。

障害者手帳や特定医療費受給者証を提示すると無料や安価でサービスを受けれます。

以下に、私が実際に参加している市の支援センターの活動を紹介します。

1.就労相談会

突然、難病になった私にとって一番不安だったのが仕事(収入)のことでした。

難病は外見から症状が見えにくく、無理なハードワークで病気を増悪させる話をよく聞きます。

他でもない、私もその苦い経験をした一人です。 

そんな時、病気との向き合い方、働き方のアドバイスをくれるのが就労相談です。

ハローワークから難病職業サポーターが参加し、現状に基づく最善策を提案してもらえます。

私の場合、体も心も痛めていたので、まず休職を取っては?と貴重なアドバイスを頂きました。

また、アドバイスだけでなく、会社側との話し合いにも実際に参加し、サポートして下さるそうです。

働き方に悩んでいる/迷ってる方は、一度、相談してみてはいかがでしょうか。

2.学習交流会(講演会)

定期的に指定難病別の学習交流会(講演会)があります。

医療従事者、医師など が講師で、治療、投薬、症例などの最新情報がわかります。

その他に、心のケア方法、リビングウィルなど いろいろな角度からの講習会もあります。

昨年、受講した ステロイド 東洋医学 の講習会も、私の病気に役立ちました。

難病の場合、自分の病気を理解するのは、とても大切だと実感します。

支援者にも有用な情報が得られるので、一緒に参加すると支援の輪が広がると思います。

 3.仲間相談

私はサ症の仲間相談員に登録しています。

サ症仲間の悩みを聞き、時に病気の辛さを共有し、自分を見つめなおす場でもあります。

相談員と患者さんはフラットな関係で、同じ辛さ持つので気持ちもよくわかります。

話をしていると、思わず泣き出す方もおられます。

しかし、泣いた後は心が少し軽くなるのか、最初より明るい顔で帰られます。

少しでも、誰かの役に立てたと言う、充実感を得ることができます。

尚、詳細は、難病情報センターHP→難病相談支援センター をご参照下さい。

最後に

難病支援センターのセミナーに参加しました。

講師は、こんな厳しい時期でも、経営好調なIT企業のオーナーの方でした。

社員さんは、ほぼ障害のある方とのこと。

その社員構成は意図したものでなく、働き易さを追求した結果だそうです。

 

コロナ禍により、今後、テレワークの需要が急速に増すだろうとの話がありました。

これは、サ症により、通勤が辛くなった、今の私には朗報です。

その時に備え、前向きに準備をしておこうと希望の持てる情報でした。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。