このブログは、サルコイドーシスや難病の仲間に向けて書いています。
初めまして、モモタ侍と申します。
約4年前(2017年夏)、50歳を目前に、サルコイドーシス(サ症)*と言う指定難病になりました。
サ症は、肉芽(にくげ)と言う肉の塊(かたまり)が体中にでき、正常な機能を妨げる病気です。
私のサ症は急性で、 肺、目、神経、皮膚、肝臓、脾臓など 全身にあります。
つらい自覚症状は 痛み、しびれ、疲れ です。
*詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。
自然寛解を視野に3年間、経過を見てきましたが、肺の影が徐々に濃くなり、呼吸機能も低下、咳や息切れなどの自覚症状も強くなりました。
そこで、20年の夏に、ステロイド剤(プレドニン)内服による治療を始めました。
ここでは、実体験を基に、特に私の肺サ症を中心に、症状、経過、治療など 書いています。
サ症の症状は、千差万別で、あくまで一例ですが、何かのご参考になれば幸いです。
尚、当記事はあくまで私の患者としての体験で、医学的なことは必ず専門医にご確認下さい。
発症と肺門リンパ節の腫れ
ここでは、私のサ症の発症、肺門リンパ節の腫れ、気管支鏡検査の体験について書いています。
発症~確定診断
17年春頃 、当時住んでいたモスクワ(ロシア)で関節痛や疲れなどを感じ始めました。
その後、6~7月にかけて、飛蚊症、下肢の腫れ いろいろな強い自覚症状がでました。
8月に帰国して検査入院、9月に大阪の大学病院でサ症の確定診断を得ました。
私のサ症は、下記3つを特徴とする、急性サ症(レフグレン症候群)と言う日本では珍しい型でした。
1.関節炎 2.下肢の赤いブツブツ(結節性紅斑) 3.肺門リンパ節の腫れ
(参考URL) 日呼吸会誌43(12),2005.多彩な症状を呈したサルコイドーシス(レフグレン症候群)の1 男性例
【サルコイドーシスに関する体験談です。ご参照頂けると幸いです。】
肺門リンパ節の腫れ、気管支鏡検査
肺に関しては、発症時、あまり強い自覚症状は、ありませんでした。
しかし、レントゲンを撮ると、左肺に入道雲のようなモクモクとした影が写りました。
後で、これがサ症に特徴的な、肺門リンパ節の腫れ であると知りました。
一般的には両肺に、このような影(BAL)がでるそうですが、私の場合は左側に出ました。
【ご参考】 肺の画像の推移と経過です。
- 17年8月頃:左肺(左端の写真、肺の右側の中央部)に入道雲のような影(肺門リンパ節の腫れ)が見つかりました。
- 18年10月頃:入道雲が崩れ始め、破裂、破片が飛散し始めたような状態になりました。
- 20年7月頃:左右の肺の影が広がり、呼吸機能も低下、自覚症状も強くなりました。
- 20年8月頃:入院してステロイドの内服治療を開始しました。
肺の異常は、海外からの一時帰国での人間ドックで、たまたま見つかりました。 これがサ症の早期発見につながり、ラッキーでした。
検査入院後すぐ、サ症の確定診断の為「気管支鏡検査」を使った肺の組織検査をしました。
気管支鏡とは、肺に入れる内視鏡のようなものでした。
サ症(多くの難病も)の場合、短時間で、簡単に病名を確定できる検査は無いようです。
なので、いろいろな検査で他の病気の可能性を排除し、結果としてサ症に絞るようでした。
昔から胃腸が弱く、内視鏡検査は苦になりませが、気管支鏡検査は、結構痛くてつらかったです。
検査前に、音が出るボールを渡され「つらい時は握って教えて下さい」とのこと。
痛いので、何度もボールを握るのですが、その度に、なんとも緊張感に欠ける音がでます。
おまけにボールはドラえもんの顔の絵で。。。
麻酔で朦朧としながら「この痛みは、きっと伝わらないんだろう」と絶望的な気持ちになっていました。
朝一からベットに寝たまま検査室に向かい、終了まで2~3時間 掛かったと記憶します。
肺サ症の経過
ここでは、サ症の血液マーカーや、肺の自覚症状の経過を書いています。
今のところ、心臓にサ症は無いので、一番命に係わる、と言う意味では肺の症状です。
血液マーカー
私の場合、サ症の活動性を ACEとsIL-2R、肺サ症の活動性をKL6と言う血液数値で見ています。
上記がその推移です。
(ACE, sIL-2推移)
- 発症時、非常に高い超異常値で、その後、急下降しました。
- 急下降後、異常値のまま高止まりし、上下の波を繰り返していました。
- 20年8月ステロイド治療開始と同時に、正常化しました。
(KL6推移)
- 発症時、KL6の値は 、684と正常値(500以下)より少し高い程度でした。
- その後、非常にゆっくりと上昇し続け、一時1000以上になりました。
- ステロイド治療開始に、少し遅れて下降し正常値になりました。
- ステロイドを減量すると、再び、上昇し始め、異常値になりました。
上記は私の呼吸機能検査の経過です。
- 指標としている FVC、DLco*は18年11月頃から(KL6上昇と反比例に)徐々に低下。
- 20年2月の検査で異常値になり、肺の画像が悪化、咳などの自覚症状も強まりました。
*FVC (努力肺活量) :胸いっぱい空気を吸い込み、勢いよく吐いた空気の量を測定。 DLco(ガス拡散能力):肺からどれくらい体の中に酸素が取り込まれるか測定。
肺の自覚症状
肺の自覚症状の経過を下記します。
発症時、左肺に特徴的な影以外、自覚症状はあまり感じませんでした。
- 17年3月頃~ :階段などを上るとひどい「息切れ」が発生。
- 17年8月頃~ :胸の「強い痛み」が発生し、その後も継続。
- 19年6月頃~ :呼吸時に左胸上部でゴロゴロ、ヒューヒューと音がして徐々に強まる。
- 19年9月頃~ :痰(たん)のからんだ咳がでて徐々に強まる。
- 20年1月頃~ :むせるような咳が続く、胸の圧迫感で深呼吸が出来ず、歩くと息切れがする。
サ症では、非特異的全身症状と呼ばれる、息切れ、痛み を訴える患者さんが多いと書かれています。
なので、私の息切れや痛みは、全てが直接、肺の原因によるものではないかもしれません。
ステロイド治療
発症時から、つらい痛みやシビレを、非ステロイド系の薬で対処してきました。
肺は、徐々に画像が悪化、呼吸機能が低下し、自覚症状も強まりました。
現在、これらに対しては、ステロイドによる治療が一般的です。
ただ、ステロイドは大量に長期で使えば使うほど、将来、高い確率で副作用に悩まされます。
呼吸器内科の主治医は、私の50歳と言う年齢と、将来の副作用を 慎重に考慮し、治療開始時期を見極めて下さいました。
20年7月、目安としていたFVC(努力肺活量)70%を切った為、8月に入院してステロイド治療に踏み切りました。
結果として、私のサ症には、ステロイド(プレドニン)が良く効きました。
濃かった肺の影が、数日で薄くなり始め、自覚症状も嘘のように消えて行きました。
現在、私のサ症への適切なステロイド使用量を、経過を見ながら探っています。
【ステロイド治療に関する体験談です。ご参照頂けると幸いです。】
最後に
レフグレン症候群は一般的に予後が良く、自然寛解もあると書かれています。
一方、私のように高齢発症でサ症が全身にあるのは予後不良要因とも書かれています。
発症から既に4年を迎えようとしていますが、ある意味最後の手段であるステロイド治療も行いました。
ステロイドは良く効きましたが、減らすと再燃する傾向にあります。
やはり、私のサ症は一生付き合って行くもののような気がします。
今は、QOL(生活の質)を維持しながら、いかにステロイドの量を減らすか、が一番の課題です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。