このブログは、難病やサルコイドーシスの仲間に向け書いています。

ここでは、私がステロイド開始して半年の経過、サ症発症から3年半の今、個人的に思う事を書いています。

初めまして、モモタ侍と申します。

3年半前、突然、サルコイドーシス(サ症)と言う指定難病になりました。

サ症は、体中にできる肉芽(にくげ)と言うできものが、体の正常な機能を妨げる病気です。

症状は人それぞれですが、私の場合、痛みしびれ疲れ がつらい自覚症状です。

*サ症の詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。

 

これまでの経過に基づく体験が、何かのお役に立てば幸いです。

私のサ症の現状

ここでは、昨年夏にスタートしたステロイド治療の現在までの経過。

治療に踏み切ったタイミングとその判断方法について書いています。

ステロイド治療後 半年の経過

昨年の夏、肺のレントゲン画像がいよいよ白くなり、咳や息苦しさ等 自覚症状もひどくなりました。

それまでの3年間、自然寛解を視野に、サ症の様々な症状を非ステロイド系の薬でしのいできました。

しかし、待ったなしの状況になったことから、ステロイド(プレドニン)治療に踏み切りました。

 

結果として、私のサ症には、ステロイドが良く効きました。

半年たった今年1月の肺のCT写真は、肉芽の白い部分がほとんどなくなりました。

また、ACE、sIL2、KL6 などの血液マーカーも正常値に戻り、維持出来ています。

 

昨年8月の入院時にはプレドニン30mgからスタートして、現在10mgに減りました。

途中、20mg→15mg、11mg→10mgに減らした昨年の秋~初冬、胸の痛みや疲れがでてQOL(生活の質)が一時的に落ちました。

再燃したかな?と少し心配しましたが、検査所見は正常でした。

 

ステロイドは良い面と悪い面(副作用)がある薬です。

良い面は、非ステロイド系の薬では取れなかった、説明しがたい痛みが消え、ひどい疲れが改善し、QOLが大幅に改善しました。

これは、肺の画像が示すように、全身の肉芽種が小さくなった為と想像します。

悪い面の副作用については、今の所、大きな問題はでていません。

免疫力低下による感染症、糖尿病、骨粗しょう症 等 主な副作用と言われるものも、今の所、特に問題はありません。

一つあるとすれば、ステロイドの影響で常に空腹感があります。

空腹感に任せて、そのまま食べると糖尿病のリスクが高まるので、毎日体重計を見ながら、食事の量と内容を工夫しています。

以上より、今、私はステロイド治療に踏み切って良かったと思っています。

ステロイド治療のスタート時期について

ステロイド治療開始まで、約3年間の経過観察を行い、医師と下記のような話し合いを重ねてきました。

  • サ症は症状が弱ければ、自然寛解の確率の高い病気である。
  • サ症とステロイドの効果が立証されておらず、最悪、サ症は改善せず、薬の副作用にも苦しめられる。
  • 50歳と言う年齢から、副作用に悩まされる時間を短くするように少しでも治療時期を遅らせたい。

 

私は、今回の治療開始のタイミングを判断は間違っていなかったと思っています。

ステロイドの維持量は第一目標は4~5mg、更に運が良ければ薬を離脱できます。

そこまでの減量の間に再燃のリスクがあり、また維持量でも副作用のリスクは高いと聞きました。

治療スタートまで時間を掛けた事で、今後の想定や心の準備がある程度、出来ました。

今後、仮に悪い経過でも、「あの時、他に選択肢はなかった」と自分に言い聞かせられると思います。

 

サ症とステロイドとの付き合いは、まだ始まったばかりです。

私は急性サ症(レフグレン症候群)と言う日本では珍しい型での発症です。

この型は、海外の症例では一般的に病気の予後が良いと言われています。

一方で、高齢発症で多臓器にサ症がある私のようなケースは、予後の悪い要因です。

今後、どうなっていくのでしょうか?

私の一症例ですが、サ症の原因解明へ、何か役に立てば良いなと思います。

サ症発症後 3年半にして思うこと

辛い自覚症状の中、サ症と言う病気と向き合い、受入れ、ステロイド治療に至った3年半。

いろいろな事を考え、人として成長し、視野も広がり続けていると実感します。

ここでは、最近、私が経験し、感じたことを書いています。

障害者・難病者 当事者委員

昨年から市の障害者・難病者の当事者委員と言うものをボランティアで始めました。

当時者委員会は、身体/精神/知的障害や難病を持つ当事者で構成され、毎月、開催されます。

直面する課題について、どんな工夫があれば、健常者と同じ社会貢献が出来るかを話し合い、社会や行政に発信します。

去年は、コロナ禍が話題の中心になり、各自が経験した困難、工夫について洗い出しをしました。

 

例えば、コロナ禍の初期に、マスクが町から消えた時期がありました。

そんな折、医療品に全く関係のない店舗で、マスクが売られているのを何度となく見ました。

恐らく、手作りか、特殊ルートで手に入れた物だったのでしょう。

しかし、眼に障害のある当事者は、そう言った視覚でしか得られない情報の入手に苦労するとのこと。

変則的な社会の情報を、音声でも確認できる、Web上の書き込みや掲示板があればと思いました。

また、生活に人のサポートが必要な当事者は、ヘルパーさんとの関係など、いつも以上に神経を遣い、ストレスにさらされることを知りました。

その対策として、身近な人と少しハグをするとのこと。

オキシトシンと言う、痛みを和らげ、幸せを感じ、絆を深めたりするホルモンが出るとのことでした。

 

当時者委員は、不便や違いを感じながらも、前向きに今の困難を受入れ、改善しようとしています。

そう言った不便や違いは、多少なりとも誰もが直面する課題と、今回のコロナで実感された方が多いのでは?と思います。

当時者委員会からの発信が、今の困難な時代を乗り切る何かのヒントになればと考えています。

アフター コロナの社会

コロナ禍によって、私のような難病を持つ者には追い風になる動きもありました。

テレワークの普及です。

これまで日本は、過去の成功体験を引きずり、人海戦術による経営を脱せなかったように思います。

しかし、コロナ禍と言う特殊な環境で、リモートやテレワーク等にシフトせざる負えなくなりました。

以前、海外で少し会社の経営をしました。

その経験から、世の経営者の方々は以下のような事に気付いたのではないかと思います。

  • リモートで会議をすると、有用な発言をしている人/そうでない人が、浮き彫りになります。
  • 在宅勤務による交通費削減は、日頃の営業活動がバカらしくなるくらいの利益を生んだと思います。
  • ウィルスの蔓延により、人に依存した経営のリスク対策も必要になったでしょう。

いろいろな「気付き」があったと思います。

 

上記を対策する為、今後、IT/ロボット化が加速し、広範囲に人の働き場が無くなる?と思います。

では、人は何をすれば良いのでしょう?

人は、人が得意なこと/人にしかできない事をすれば良いのだと思います。

それは、頭を使い、学び、発想する ことでしょう。

このエリアに需要が増えると、難病や障害が足かせにならず、私なども健常な人達と同様に社会貢献が出来る自信があります。

 

コロナ禍は、沢山の人の命を奪ったと言う意味で悲劇でしかありません。

否が応でも、現行の社会システムを見直さなければならなくなりました。

その代わりに、障害や難病を持つ者にもチャンスを与え、より多様性のある社会へシフトするきっかけを与えてくれた気がします。

最後に

セカンドライフに向けて、何か資格を取ろうと、昨年11月に行政書士の試験を受けました。

結果は、惨敗でしたが、久々の受験勉強と試験会場の雰囲気に学生時代を思い出しました。

私の会社での経歴は、約30年間、主に管理、経理でした。

これは、海外希望の事務職の私には、それしか適当な職種が無かったことに由来します。

しかし、正直、管理や経理の仕事は、自分の性分にあわず、ずっと不自由さを感じてきました。

行政書士の勉強を通して法律を学ぶと、意外に面白く、続けても苦にならない事に気付きました。

初めて、自分の適性を自分で発見したような新鮮な気持ちで、日々を送っています。

 

そう言えば、昨日からコロナワクチンの接種が始まりました。

私のような基礎疾患のある人の接種は、高齢者の後、恐らく夏前頃でしょう。

私は、サ症とコロナワクチンの治験例になる為?順番が来たらワクチン接種をする予定です。

接種した実体験を当ブログでもアップしようと思います。

 

最後まで読んでい頂きありがとうございました。