このブログは、サルコイドーシスや難病の仲間 に向けて書いています。
私は、難病になる前、10年間 海外(新興国)で働いていました。
ここでは、その経験をふまえて、私が感じているこれからの日本の不安。
その挽回策でもあり、難病者の課題でもあるヘルパーさん不足について、一つのアイデアを書きました。
初めまして、モモタ侍と申します。
4年前、50歳を目前に、サルコイドーシス(サ症)と言う指定難病になりました。
サ症*は、体中にできる肉芽(にくげ)と言う できもの が、体の正常な機能を妨げる病気です。
症状は人それぞれですが、私の場合、痛み、しびれ、疲れ がつらい自覚症状です。
*サ症の詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。
以前、私が働いていたのは、日本のように恵まれた国々ではありませんでした。
病気を機に戻った日本は、10年前とは少し違い、新興国と似た不安感を感じる時もあります。
なので、私の海外と難病の経験を何かの役に立てられないか考えています。
何かのご参考になれば幸いです。
今の日本 これから
数値から見る、日本の今後は恐らく冬の時代を迎えそうです。
日本の家計簿(2019年)
上記は、日本の2019年度(18年4月~19年3月)の日本の収入・支出の内訳です。
- 収入は68.8兆円、支払いは101.5兆円でした。
- 32.7兆円の赤字は借金(赤字国債発行)をしました。
- 収入は「税金」、支出は「社会福祉」と「借金の利息返済」が大きな割合を占めています。
悪い事に、日本は借金大国で、19年度含む 借金総額は、897兆円(上記)になります。
これは、先進国で ダントツ1位(GDP比)で、民間企業なら、とっくに倒産していたでしょう。
なので、早く借金を返済しないといけないのですが、それも難しそうです。
(参照情報:財務省HP→税制→わが国の税制の概要→わが国税制・財政の現状全般→財政に関する資料)
その大きな要因が、これから直面する、少子高齢化です。
上記の予想を見ると、日本の総人口に占める65歳以上の割合が
- 1980年 9.1% → 2000年 28.9% → 2060年 38.1% となる見通しで、高齢化率も世界一位です。
65歳以上 1人を、今後、15~64歳 1.5人で支えることになります。(以前は10人で支えていました)
少子高齢化は、税収減と社会保障費(医療や年金)増により、借金返済を更に厳しくします。
また、直近2年のコロナ禍で、国の借金は更に増えていると思われます。
(参照情報:内閣府HP→共生社会政策トップ→高齢社会対策→高齢社会白書→令和元年版高齢社会白書→高齢化の現状と将来像)
フィリピンとロシアでの経験
以前住んでいたフィリピンやロシアで下記のような経験をしました。
①フィリピンは、貧富の差が激しく、日系企業のスタッフでさえ低所得の人が大半でした。
社会福祉も、不十分で、病気や貧困により、日々多くの人が亡くなります。
以前、会社のスタッフが、急性の心疾患で、病院に運ばれました。
延命はお金が掛かるので、選択の余地なく人口呼吸器を外すのを見ました。
今回のコロナ禍でも、恐らく、日本のような(手厚い?)サポートは受けれないでしょう。
②ロシアでは、自国通貨ルーブルの暴落を経験しました。
ロシア人の自国通貨への信頼度は低く、多くのロシア人は自己資産をドルやユーロで持っていました。
通貨価値が半分になると言う大変な難局を(慌てることなく)自力で乗り切っていました。
日本がこうならないことを祈りますが、上の数値を見ると少し不安になります。
新興国での経験から学んだことは、国が貧乏になると国民を助けてくれない。
なので、国民は自力で、なんとかして生きて行くしかない、と言うことでした。
私が何か出来る事
私は、難病になり、この国や会社に助けてもらいました。
今は、小さくても何か恩返し出来ないか考えます。(もちろん、自分の生きがいにもなる)
日本のヘルパー(介護士)さん不足
難病になったのを機に、市の難病当事者委員やサ症の仲間相談員をやっています。
その中で、障害者/難病者のヘルパーさんが不足している話がよく上がります。
今は、コロナ禍の影響もありますが、物理的にも人手が不足しているようです。
このままでは、高齢者介護を中心に 2025年:32万人、2040年:69万人 介護士さんが不足する、とTVで見ました。
主因は以下の通りだそうです。
- 介護士さんの給与水準が、産業平均に対して約6万円低い。
- 介護士さんの研修を行う人手、しくみが弱く、定着率が低い。
- 少子高齢化による若い労働力の不足。
上記の課題に何か改善策は無いか、少し考えてみました。
介護士さんの平均賃金を6万円押しあげようとすると年間1兆円の追加予算がいるそうです。
しかし、先に書いた通り、もう国にはお金がありません。
私は、今、日本語教室でボランティアにも参加しています。
一昨年のビザ見直しで、私の教室では外国人実習生が家族を連れて日本にくるケースが増えています。
今は、一時的にコロナ禍で停滞していますが、この流れは変わらないでしょう。
ご家族は、日本の事もあまり知らず生活、文化、風習も分からない人達がほとんどです。
しかし、彼らもまた、日本で働きたいと思っています。
例えば、彼らにヘルパーとしての働き場を提供出来れば、6万円のギャップも埋まり、今後の大きな労働力にもなると信じます。
一方で、日本人も、(私含め)難病/障害者、高齢者は「仕事」探しに苦労しています。
その中には、何か/誰かの役に立ちたいと言う、生きがい、やりがいを探す人が沢山います。
これらの人達が、安くで外国人ヘルパーさんに日本の言葉、暮らし、風習を教えれば良いと思います。
お互いが持てる強みを生かせ、お互いが必要とされるウィンウィンな関係です。
(マザーテレサの名言よると、「この世で最大の不幸は、人に必要とされないと感じること」だそうです。)
このような仕組み作りが出来れば多くの問題が解消する気がします。
私の参加するボランティアは、在留外国人の日本での居場所になるのが目的です。
日本語学校は授業料が高いので、そこにいけない学習者が、日本語教室にきます。
私は、もう一度、地域=居場所=昔のご近所付き合い の復活が大事だと思います。
調査によると、残念ながら、日本は、外国人に取って働きたい国の上位ではありません。
外国人家族も日本の生活にスムーズに馴染める仕組みがあること。
それは、どの国で働くか迷っている外国人へのアピールポイントにもなると思います。
コロナ禍での新しい仕事や働き方のモデル作りが進んでいるニュースをよく見ます。
その中心は、日本の若い起業家/経営者の柔軟で、斬新な発想によるものです。
IT技術を駆使した、思いもよらない奇抜な発想に、驚き、時に感動すら覚えます。
19年から日本は、人材確保の為、外国人労働者のビザを緩和し、受入れの拡大を図っています。
国は数年の間に 数十万人単位で、海外から若い労働者を呼び込みたい考えです。
これら若い力が、新しいシナジーにより、生産性を向上されば、借金の返済も可能かもしれません。
多くの人が安心、幸せな国(難病になって思う)
海外にいた時、日本の本社が経営難に陥り、私のいた現地子会社も、その余波をモロにくらいました。
子会社だけでも生き延びさせようと、現地スタッフの削減を含むリストラに踏み切りました。
子会社は一時的に黒字になり、私はリストラに成功したと思いました。
しかし、本社の経営難が長引くと、子会社は、元気を無くしていきました。
全スタッフに、「次は自分の番では?」と言う、不安な気持ちが広がったのだと思います。
この気持ちを、実感したのは、私が難病になった時でした。
健康な体を失い、心身ともに壊れて、まともに働けない時期が続きました。
その間、日本の社会保障や会社の福利厚生に助けられ、安心して治療に専念できました。
この国や会社の制度が無ければ、闘病生活はもっと不安で過酷なモノになっていたでしょう。
私の病気は一生続くものでしょうが、それでも、少しずつ心身は、安定しつつあります。
この日本と言う良い国、良い社会が、ずっと続くことを心から望みます。
最後に
ロシアにいた時、学び、実感したことですが、日本の強みは
- 米、中、ロ 世界の3大国の接点にある地政学的なアドバンテージ。
- 世界的に見ても優秀な民族、国民性(たぶん世界一) だと信じます。
この延長線上で考えると、 国土も資源もない、しかし知恵と工夫で栄えるハブとよばれる国々。
アジアならシンガポール、欧州ならベルギーのような国が、今後、日本が目指すモデル国と感じます。
日本のプラスの強みは、誠実な国民性が持つ「安定性」、「安全性」だと思います。
例えば、今、中国化に揺れる香港の世界の金融拠点としての地位を日本に呼び込む、と言った発想はないでしょうか。
少子高齢化リスク、内需縮小も一気に解消する気がします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。