このブログは、サルコイドーシスや難病の仲間に向け書いています。

ここでは、私の難病を通して、経過観察とは何をするのか、実体験に基づき書いています。

初めまして、モモタ侍と申します。

4年前、突然 指定難病のサルコイドーシス(サ症)になりました。

サ症は、体中にできる肉芽(にくげ)と言うできものが、体の正常な機能を妨げる病気です。

症状は人それぞれですが、私の場合、痛みしびれ疲れ が辛いです。

*サ症の詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。

 

サ症や難病の記事を読んでいると「経過観察」と言う聞きなれない言葉をよく目にします。

私は、発症当時、この言葉と内容がピンと来ずにいました。

サ症や難病の方の、何かご参考になれば幸いです。

経過観察とは

私は、サ症になるまで「経過観察」と言う言葉を知りませんでした。

難病と言う、治療法の無い病気がある事は、うっすらと知っていました。

私は、10年間、海外駐在をしていた為、毎年、人間ドックを受けていました。

その結果に異常がなければ、病気にはならない、とある意味油断していました。

 

まさか、10万分の1と言った希少な病気に自分がなるとは夢にも思いませんでした。

難病の定義には、①原因不明で②治療法が確立されておらず③一生付き合って行く、とあります。

この先、寛解・増悪を繰り返すか、現状維持か、または進行していくのか、正直分かりません。

その為、病気の状態や勢い、合併症の有無など 定期検査し、その都度、治療方針の見直し、投薬調整をする必要があります。

この作業が、経過観察と理解しています。

私の経過観察

私のサ症は全身にあり、平均2~3回/月は通院(経過観察)が必要です。

今の所、ステロイド剤が効いていて、病状は安定しています。

また、休職中なのでスケジュールにも余裕があります。

しかし、ひとたび増悪すれば、通院回数は増え、復職すれば何度も通院するのは難しくなります。

この辺りが、経過観察のスケジューリングの難しさだと思います。

内容

現在、私は7科で以下のような内容と期間で経過観察をしています。

診療科        内容           頻度

  1. 全体   :血液、肺のレントゲン      (毎月)
  2. 呼吸器内科:上記に基づき投薬方針の調整と問診(毎月)
  3. 循環器科 :心電図と心エコー     (半年に一回)
  4. 神経科  :投薬調整と問診      (2カ月に一回)
  5. 神経内科 :問診           (3カ月に一回)
  6. 皮膚科  :皮膚サ症の状態確認と問診 (3カ月に一回)
  7. 眼科   :目の検査と問診      (半年に一回)
  8. 整形外科 :股関節のレントゲンと問診 (1年に一回)
  9. その他  :肝エコー、CT、MRI など

今は、昨夏に開始したステロイド(プレドニン)の投薬方針を見極める必要があります。

毎月の呼吸器内科の診断と、その前週に、血液とレントゲンで、月2回の通院が必要です。

それにプラスして、他の科の受診含め 平均3回/月くらい通院しています。

尚、通院回数は、病気の変動が激しい/安定してる時期で、大きく変わるので、主治医と相談しながら行います。

 

サ症で、いちばん命のリスクを伴う臓器は、心臓と肺と書かれています。

私の場合、心サ症は今のところないので、一番注意が必要なのは、昨夏に治療した肺の状況です。

その為、血液マーカーと肺レントゲン画像を中心に毎月、検査と診断をします。

プレドニン(ステロイド)30mgでスタートして、経過は順調でした。

副作用のリスクを減らす為、薬の減量を続け、10mgを切る頃にサ症が再燃しました。

その為、ステロイドをいかに抑制出来るか、が直面する課題です。

今は、免疫抑制剤や漢方との併用など 主治医と話し合っています。

もうしばらく、この忙しい通院状態は続きそうです。

通院費用について

経過観察を続ける上で、通院費用はバカになりません。

経過観察は、サ症の治療法が見つかるまで続く、恐らく一生の長丁場です。

例えば、私の通っている大学病院は、車で1時間ほどの所にあります。

その為、高速代だけでも往復3000円掛かります。

それにプラスで、ガソリン代、駐車代など 2~3回/月となると結構な出費です。

(それでも都市部に住み、医療補助も受けている私は、恵まれている方でしょう)

これが、一生続く可能性もある訳ですから、病院との距離も大きな問題になります。

 

一方で、難病での 病院や医療従事者の方々との出会いは、一期一会と痛感します。

それは、配偶者や一生勤める会社との出会いにも似ています。

今の大学病院や先生方への信頼感、安心感は、とても大きく、これは何物にも代えがたいです。

それが理由に、4年間の通院も、一度も苦になったことがありません。

 

なので、お金の問題に直面した時は、病院の変更でなく、まず費用の低減方法を考えます。

例えば、障害者手帳では、高速代金の割引が受けれるようです。

高速道路も経路により、安くもできます。

今後、運転を止めた時どうするか?など、課題にぶつかるでしょう。

でも、その都度に考えていこうと思っています。

参考図書:「医療費で損しない46の方法」 原 昌平 著 中公新書ラクレ

経過観察の見方を変えると

ここまでのお話では、大変なイメージが多いかもしれません。

しかし、モノは考えようかもしれません。

私は、経過観察を「日本一の医師団が、私だけを専属で毎月診てくれる人間ドック、しかも保険適用」と考えます。

難病は、残念ながら、合併症でガンなどになる確率も高くなります。

しかし、同時に、この月次人間ドックにより、早期発見されるケースも多いようです。

 

また、私の大学病院の場合、主治医の方々の多くは、医師であると同時に、大学の先生や研究者です。

問診を通して、斬新なモノの見方、新しい考え方が聴けるのは、とても贅沢な気がします。

 

そのお返しに、私は、この経過観察を少しでも長く続け、一症例になることが責務と考えます。

私のサ症は、海外(ロシア)で発症した、レフグレン症候群(急性サ症)と言う、日本人には珍しい型です。

また、ステロイドを使い、今後、免疫抑制剤や漢方なども使うことになりそうです。

多くの難病同様、サ症も症例報告が少なく、特に長期の経過観察の記録が少ないと読んだことがあります。

少しでも長く、いろいろな投薬や治療を試したい。

これが今のモチベーションの一つです。

最後に

経過観察は、サ症の根治療法が見つからない限り、恐らく一生続くものです。

最初、一生続くと知った時、とても後ろ向きな気持ちで受け止めていました。

その後、何か少しでも前向きに考えれるネタは無いかと、ここに書いた考えに至りました。

今は、何でも前向きにとらえよる癖が付きました。

これは、サ症になる前には無かった、新しい私の正確、良い習慣です。

心も体も、病気になる前より元気になった気がすることも多いです。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。