このブログは、仕事、趣味、ボランティアなど何でも 組織作りに悩まれている方/興味ある方に向けて書いています。

 

初めまして、モモタ侍と申します。

以前、約10年間、海外で小さな会社の経営をした経験があります。

生産と販売を行う、工場を持った会社でした。

新興国と言う社会の未成熟さ、経営や人事に素人の私、全てに余裕は無く、とにかく組織を円滑に回すことに注力しました。

 

また、50歳を目前に、サルコイドーシス(サ症)と言う指定難病を発症しました。

サ症は、一生付き合う種類のもので、発症から大阪の大学病院で診てもらっています。

この病院に3年間通っていて感じるのは、組織や人が、とても機能し、進化していることです。

*サ症の詳細は、難病情報センターHP→ さ行→84サルコイドーシス をご参照下さい。

 

ここでは、海外や難病での入院経験を通じ、私が思う、人が生きている組織の条件を書いています。

組織を束ねる方々の何かのご参考になれば幸いです。

良い組織の条件 私の経験

以前、海外(フィリピンとロシア)で、約10年間、数百人規模の会社の経営を見た経験があります。

会社の構造改革に取り組む中で、組織作りについて学び、試行錯誤を続けた日々がありました。

私の思う 良い組織

私が、これまでに見た 良い組織の共通点を抽出すると以下のようなものです。

  1. 組織の目指すべき使命やミッションが明確。最終決定権(決定者)が明確。 
  2. 決定者に権限(権利)と責任の両方が備わっている。
  3. 各現場の仕事内容(職務分掌)が明確で、組織の使命やミッションの延長上にある。
  4. 組織を構成する個の力(資格と経験に裏付けられたスキル)が強い。
  5. 各現場が失敗を恐れずにチャレンジできる自由な風土とサポート体制がある。
  6. ミッション達成のために何でも言える風通しのよい環境がある。

長い会社員生活で見た悪い例は、権利は主張するが、責任を取らない組織です。

結果として、連帯無責任幹部のお友達化などの弊害を招き、会社はぬるま湯化していきます。

他にも、リスクに敏感になるあまり、チャレンジを忘れ思考停止に陥る組織。

臭いモノにフタをする企業風土にある組織(フタで押さえきれなくなった時は既に手遅れ)。

こう言った組織は、確実に組織の血のめぐりを悪くし、母体となる会社を死に至らしめます。

 

これら悪い例に反し、良い組織の条件を備えていると思うのが、掛かり付けの大学病院です。

病棟における組織について

私は、これまで3回(約1年に1回)この大学病院に入院しています。

病床から人の動きを見て感じるのは、入院病棟の組織力の高さ、各医療従事者の個の強さです。

それは入院する度に進化、発展を続けているように感じます。

私が推測するに、入院病棟の組織と人は以下のような感じに見えます。

  • 医学的根拠に基づく、最終判断は医師に集約されており指示系統が明確です。
  • その判断に基づき各現場の医療スタッフのミッションをは明確で、それを遂行されています。
  • 看護師の方々は、組織を構成すると同時に、資格に基づく高いスキル意識を持ったプロ集団です。

 

例えば、リハビリで廊下を歩いていて感じるのは、(この建物は少し古いですが)廊下はピカピカに磨かれ、週に何度も除菌処理と思われるワックスがけをされています。

その方法は、感染リスクを徹底排除するためのノウハウの蓄積、匠の技 と言った感じです。

看護師の方々は、時に専門的な知識を患者に分かりやすく伝えるアドバイザー、時に命の危機に直面した患者の心に寄り添うカウンセラー、いつもは優しい介護者と何役もこなされます。

まさに組織と個の実力が、がっちり噛み合った理想的な形に見えます。

人が自然に育つ環境

ここでは、キャリアの長い看護師の方(先輩)と短い方(後輩)がバディを組み、患者をケアされいます。

先輩が後輩にノウハウ、スキルをマンツーマンで直伝するスタイル。

難しい処理に後輩が手こずると、先輩がサッと変わって一瞬で終わらせる。

後輩は、先輩との実力差を知る事で、自然に先輩への畏敬と尊敬の念がわく。

人が成長する上で、非常に納得感のある理にかなったと仕組みと思います。

 

また、凄いと思うのは、患者さんから来る無理難題に対し、看護師の方々から逃げ文句言い訳一切聞きません。

一刻を争う命と直面する厳しい環境がそう言った姿勢を育むのでしょう。

ミッション(魂)の継承の大切さ

私の勤める会社は、経営が傾き、外資の力を借りて切り抜けた過去があります。

経営が悪くなり、多くの仲間が会社を去り、好きな社風がくずれ、、、

同じ頃にサ症を発症した私にとって、それは悲しい歴史の記憶です。

 

会社が良かった頃、粗削りながらも、この病院のような組織・人がありました。

しかし、組織にほころびが見え始めた頃から、会社の経営も悪くなっていった気がします。

なぜ、あんなことになったのか? 今でも考えることがあります。

 

「自由な空気と質素を好み、上下の隔たりなく門下生と接し、医の道を追求した。」

この大学病院の源流を作った先人の人物像だそうです。

脈々と、その魂が受け継がれているように感じます。

良い文化、風土が継承され続ける理由を考えるに、命と言う尊いものと向き合う「医療」と言うものの使命やミッションがそうさせるように思います。

つらい人を助けたい、痛みを和らげてあげたい、人の本質とミッションが上手く融合してるようです。

最後に

これまで年に一度、定期的な入院をしています。

入院はつらいですが、この大学病院で働く医療従事者にいつも元気をもらいます。

退院したら自分もまた、頑張ろうと次のモチベーションになります。

この良い遺伝子が、今後も受け継がれ、日本の医学の更なる発展に寄与するよう、国を上げてサポートする必要があると感じます。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。